グリーンウッドワークとは
グリーンウッドワークとは、乾燥する前の生木を使って、木製品を作る工法を言います。
イギリスでは、2012年から『スプーンフェス』が開催されていて、参加者はテント持参で、子供から大人までがスプーンを削るイベントが行われています。
こうした海外のムーブメントを受けて、日本でも『さじフェス』が2017年から開催されています。
初心者から熟練者までおすすめなグリーンウッドワークガイドです。
最初の一冊にとてもおすすめです。
僕も薪ストーブ生活を始めて、薪でスプーン等を作るようになりました。
それは、薪ストーブの前にいる時間が多くなって、何か出来ることはないかなぁと思っていた時に、この『グリーンウッドワーク』を知りました。
僕が作った作品はネットショップで販売しているので、興味のある方はAMAWORKSをご覧ください。
生木と乾燥木の比較
生木は乾燥した木に比べて水分が多く、乾燥材に比べて加工がしやすいです。
その反面、徐々に乾燥が進んで行くので、ひび割れたり、変形する恐れがあります。
こうした変形等を見越して木取りし、変形してもそれを“味”だと思って、製作すると良いと思います。
僕の場合は薪としてよく乾燥した木材を使用しています。
生木に比べて硬くて、加工は大変ですが、予めひび割れた箇所を除いて加工する事が出来るので、完成後のひび割れ等のリスクが減るからです。
どちらにも長所短所があるので是非、両方試してみてください。
必要な道具
斧(カービング用)、ナイフ、サンドペーパー、オイル
カービング用斧
斧については、薪割り用とは別に小さなカービング用の斧が必要です。
斧での整形がある程度出来れば、その後のナイフワークは楽になります。片手で長時間使っても疲れない、軽くて切れ味の良い斧がおすすめです。
僕が使っているのは、カルソフのスモールカーバー01で、この斧は切れ味が良く、持った時のバランスがとても良いので長時間振っても疲れません。
国内では取り扱っているお店が少ないので、僕の場合は直接海外から個人輸入しました。
その他にも良い斧が沢山あるので、自分にあった1本を探してみるといいと思います。
参考にオススメ斧メーカーを紹介します。
Kalthoff Axe スウェーデンのメーカー。女性斧職人のジュリア・カルソフが製造しています。おすすめは『SMALL CARVER 01』
Gränsfors Bruk スウェーデンのメーカー。1本の斧を1人の鍛冶職人が鍛造し、満足のいくものだけにイニシャルとロゴを自ら刻印。おすすめは『カービング』
WOOD TOOLS イギリスのメーカー。ロビン・ウッドさんはスプーンフェスの発起人。斧やナイフはリーズナブル。おすすめは『The Robin Wood Carving Axe』
グリーンウッドワーク・ラボ 日本でグリーンウッドワークの普及活動を行っている団体。森林文化アカデミーとグリーンウッドワーク・ラボが共同開発した斧『グリーンウッドアックス420』
ナイフ
ナイフは作る物により異なりますが、スプーンを作る時におすすめのナイフを紹介します。
まず、僕が初めに買ったのが、モーラナイフの#120、#106とフックナイフ#164
モーラナイフはスウェーデンのメーカーで、様々なナイフを作っています。また価格も比較的安価なので、初心者にもオススメです。
僕の場合は刃渡りが#120に比べて少し長い#106をメインで使用しています。
刃が長い方が#106、短い方が#120
刃渡りが長い方が危ないと思うかもしれませんが、自分の手から刃先までが遠くなるので、短いナイフよりも安全だと思います。
次にスプーンを作る上で必要なのが、フックナイフです。
スプーンのさじ面は、普通のナイフでは削れません。
ここで使用するのがフックナイフです。
フックナイフは、刃がクエスチョンマークのように曲がっているので、さじ面を削るのに特化しています。
こちらについても、まずはモーラナイフを選べば良いと思います。
このモーラナイフでは左利き用や片刃、両刃(ダブルエッジ)など色々あるので、自分にあったナイフを選べます。
ナイフワークで僕が一番ケガをする事が多いのが、このフックナイフを使う時です。
なぜかというと、木を持つ親指に向かってナイフが動くからです。これは使ってみないと危険性が解らないかもしれません。
初心者は最初は両刃(ダブルエッジ)ではない、片刃の#164から使い始めると良いと思います。
MORAKNIV スウェーデンのメーカー。お手頃価格で高品質。
サンドペーパー
サンドペーパーは必ずしも必要ではありません。ナイフの削った跡をそのまま生かせば、サンドペーパーは必要ありません。
サンドペーパーを使うと良い点は以下になります。
ナイフ仕上げに比べて、柔らかい印象の作品になる。
細かい傷を消すことができる。
これは作者の好みなので、使い分けると良いです。
オイル
オイルは完成した作品に塗ることで、防水性や耐久性が上がります。
また、木がオイルを吸収する事で木目がくっきり現れ、色も変化し、印象が変わります。
使用するオイルはクルミ油や蜜蝋等の乾性油を使用してください。
サラダ油やオリーブ油は塗った後、乾かないので、ベタ付きが取れません。
定期的にオイルを塗ってメンテナンスしてあげることで長持ちします。
最後に
今回はグリーンウッドワークについて紹介しました。
木を削った時に出た削りカスは焚き付けにも使えます。
興味のある方は自分が集めた薪を使って、スプーン作りに挑戦してみてください。
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